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わが子よ―出生前診断、生殖医療、生みの親・育ての親 [ノンフィクション]

2013年4月から翌年6月にかけて
共同通信社が配信した連載企画「わが子よ」の記事を1冊にまとめたもの。
第一部では出生前診断、
第二部では体外受精や卵子提供などの生殖医療
第三部では養子縁組や里親をテーマに構成されている。

各章ともに具体例は多く、丹念に取材がなされている様子が伝わってきた。
価値観が多様化し、倫理観も少しずつ変わっていく現代社会において
家族や生命について深く考えさせられる内容になっている。





職場を襲う「新型うつ」 [ノンフィクション]

2012年4月に放送されたNHKスペシャル書籍化。
「新型うつ」の特徴として
職場にはつらくて行けないが、趣味や遊びには積極的というものがある。
このため「新型うつ」は病気ではなく「怠け」であり、
本人の性格に由来するものと捉える人事関係者もいれば、
精神科医でも病気か否かで意見が分かれている。

この本では「新型うつ」に悩む人たちへの取材だけでなく、
企業の対策、人事担当者の座談会、
現代社会を取り巻くコミュニケーション重視の環境や
若者たちが受けてきた教育等々、多角的にこの問題を分析している。

「新型うつ」だけでなく、
誰もが精神的に不安になる可能性が高い現代社会について
考えを深めることができる内容だと思った。


職場を襲う「新型うつ」

職場を襲う「新型うつ」




猪木は馬場をなぜ潰せなかったのか: 80年代プロレス暗闘史 [ノンフィクション]

最近、文芸系出版社からの回顧的プロレス本が多い。
購買層はおそらく40代であり書店で手にとって本を買う世代なので、
まだまだ売れるからだろう。
著者はプロレス関係の本では初めて目にした名前だ。
経歴を見ると1961年生まれで
80年代から90年代にかけて新書の編集者をしていたとある。
一読してみても
プロレスライターが偽名を名乗っているわけではなさそうだった。

内容は1980年代のプロレス界が1年ごとに上手くまとめられていた。
ハンセン全日本移籍や長州のかませ犬発言、
IWGPでの猪木舌出し失神といった大きな事件だけではなく、
地方大会での細かく見逃せない出来事も取り上げられていた。
馬場と日本テレビとの関係、
テレビプロレスが頂上を極めたあと、衰退していく様子が臨場感を持って描かれている。
参考文献としては、
昭和プロレスの真相に迫るムック『Gスピリッツ』からの引用が多かった。


猪木は馬場をなぜ潰せなかったのか: 80年代プロレス暗闘史

猪木は馬場をなぜ潰せなかったのか: 80年代プロレス暗闘史




1984年のUWF [ノンフィクション]

雑誌『Number』で連載されていた『1984年のUWF』が単行本化。
1984年に旗揚げした旧UWFは格闘プロレスとして
後楽園ホールを中心に熱狂的かつ狂信的なファンを獲得する。
最も影響を与えたのは初代タイガーマスクだった佐山聡。
藤原嘉明、前田日明が「プロレスの原点回帰」として
格闘技術に基づいたプロレスを展開しようとする中、
佐山だけが「総合格闘技としての競技化」を目指していた。
佐山の革新性はこの本でも絶賛されており、
修斗の選手として早くからバーリ・トゥードに挑んだ中井祐樹にも
焦点を当てている。
中井はUWFの熱烈なファンであったことにも触れられており、
中学生時代のエピソードはかなり興味深い。

旧UWFにアイデアを出していたとして
近年、各媒体で語り出したイラストレーター・更級四郎の登場が多かった。
旧UWFでデビューし引退した選手・星名治の証言は目新しいのでは。

ブームを巻き起こした新生UWFと前田日明ついては批判的であった。
真剣勝負では無かったことを裏付ける証言者として
ジェラルド・ゴルドーとクリス・ドールマンが出てくるが、
既に2人とも過去にUWFの試合がフィクスド・ファイトであったことは発言している。

ゴルドーのプロレスラーに対しての批判的発言は
かなりの試合数、プロレスをしている彼から聞いても響くものはないし
ややリップサービス過剰だ。
ドールマンの発言は、
たとえ真剣勝負ではなくても、
自らの格闘技術を大観衆の前で披露できたのは良かったのではといった趣旨の内容。
こちらはオトナの対応だろう。
発行部数は少ないが、
当時からUWFに対して真の姿を語っていた佐山や松浪健四郎の記事を引用したのは
この本が初めてではないだろうか。

プロレス関係以外のメディアが新生UWFを真剣勝負と宣伝し、
関係者は誰もそれを否定しなかった。
前田は「真剣勝負」とは言っていないし他のプロレスを貶めてもいないが、
周囲の「真剣勝負」という煽りを否定せずに、ブームを作り上げたと非難している。
ただ、この罪を前田だけに押し付けるのは酷かなと思う。
トップレスラーは前田であり、
取材を受けるのは彼がほとんどだったろうが、
社長は神新二なのだ。
会社として「真剣勝負」を売りにしていくと戦略を立てたのなら、
社長にも責任はあるだろう。
前田は「他のプロレスが「八百長」で自分ところだけ真剣勝負」と切り捨てることは無かったのだ。
それは業界で生き残るための処世術だったのかもしれないが、
旧UWFの項で語られていた彼の誠実な人間性も関係しているのではないだろうか。
 
新生UWFは前田と神社長、鈴木専務が会計で
揉めたのが分裂の根本的な原因とされている。
今まで報道されてきた不正のあった背広組=悪とは異なり、
フロントは身を粉にしてUWFのために頑張っていたのを
レスラーたちは理解できなかったといった論調になっている。
ここら辺りはフロントが絶対に善で不正はないといった描き方だが、
やや寄りすぎ感は否めない。
前田の発言も偏りがある可能性が高いので、
真相はやはり藪の中なのだろう。

89年5月の大阪球場大会、11月の東京ドーム大会では
招待券を大量にばら撒いており、満員神話も作られたものだった。
UWF人気はブームの頃に翳りが出ていたのだ。
原因は意外とつまらない試合内容やカードのマンネリ化など
当時のプロレスファンは既に気づいていたことだった。

最後はUWF解散、リングス旗揚げ、UFC、修斗、バーリ・トゥード、プライドと
駆け足で日本における総合格闘技が競技として完成していく様子が語られている。
書き下ろしの『1981年のタイガーマスク』はそれほど目新しいことは載っていない。

UWFについては語られつくした感もあり、
昔ながらのディープなプロレスファンにとっては
既知の内容かつ過去記事の引用が多く、
レスラーたちへの取材はほとんどないが、
歴史物語として読むと、懐かしさも含め、
かなり楽しめる内容になっていた。


1984年のUWF

1984年のUWF

  • 作者: 柳澤 健
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/01/27
  • メディア: 単行本



2009年6月13日からの三沢光晴 [ノンフィクション]

2009年6月13日、三沢光晴はリング上の事故で亡くなった。
選手、関係者、マスコミ医師
搬送された広島大学病院の救命医の証言から事故の真相に迫っている。
6月13日の様子は緊迫感に溢れており、
医学的な内容もわかりやすく説明されていた。
事故に携わった人たちの、その後も取材されており、
親しい人の事故死という現実をどう受け入れていくか、
葛藤や決意や逡巡等々、様々な気持ちが表現されていた。


2009年6月13日からの三沢光晴

2009年6月13日からの三沢光晴




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